News & Blog
お知らせ&ブログ
小さい工務店ができること〜正直に〜
2019.4.28
大手ハウスメーカーの見積もりって…
最近、ある客さんから相談を受けまして。
家を建てる予定だけど、大手ハウスメーカー2社のどちらが良いか決めかねているので見てほしい、とのこと。
大手ハウスメーカーは以下の2社です。
ハウスメーカーA社:輸入住宅会社
ハウスメーカーB社:急成長した住宅会社
両社にざっくり見積もりを出してもらったところ、A社は事前にネットで調べた金額よりも安かったけれど、B社は想定よりもだいぶ高かったそう。
でも僕が見積書を精査していくと、A社は資金計画に盛り込まなきゃいけない費用(地盤改良費とか)がごっそり抜けており、使途不明のオプション工事や訳の分からない費用が追加されていた。
結果、B社の方が安くなった。
そのお客さんは最終的にB社を選び「AS IT ISさんのおかげです」とたいへん喜んでもらえた。
家づくりに携わる者として、お役に立てて良かったです。
うちで建ててくれれば、もっと良かったんですけどね(笑)
どうして工務店に相談するの?
そこで工務店を経営している僕は、ふとギモンに思ったわけです。
「どうして(大手ハウスメーカーじゃない)うちへ相談にきたの?」
「大事な家づくりを、信用できない相手に任せられるの?」
おそらくですが、僕は工務店の経営者だから信用できると思われたのでしょう。
たしかに、大手ハウスメーカーのいち営業担当とは背負うものが違います。 (もちろんお客様ファーストの素晴らしい営業さんもいますよ)
それに大手ハウスメーカーが出す見積もりより、工務店の方が安いと知っていたのかな。
(大手は人件費やら広告宣伝費やらが上乗せさせるので、当然高くなる。昔、うちが大手と同じ仕様で見積もってみたら合計300万円くらい違ってたことも!)
けれどもそんな事情を知ってか知らずか、結局自分の家を建てるときは、大手ハウスメーカーを選ぶ人が多い。
それはきっと「大手だから大丈夫」という安心感からですよね?
大手はホントに安心?
一般の方が思っている、大手ハウスメーカーが安心な理由ってこんな感じでしょうか。
- 大手なら簡単には倒産しないだろう(工事中に潰れてしまったら大変)
- 完成後も長くアフターフォローしてもらえる
たしかに、ごもっともです。
でもうちのお客さんから聞いた話だけど、
「大手ハウスメーカーで保障してもらうには、定期的な点検(有料)が必要だと言われた。しかも工事が必要になった場合は、言い値でリフォームしなくちゃいけない」
とのこと。
それではあまりにも不自由だし、結局メンテナンス費用が高くつく。
だからご実家は大手ハウスメーカーで建てたけれど、リフォームは地元の工務店に頼んでいるのだそう。
「大手だからすべて安心」というわけではないんです。
工務店ができる対策とは
でも、いくら工務店が健全経営をうたったところで、会社の規模による信用は大手と比べものにならない。
一般の方が抱く不安(倒産の可能性とアフターフォロー)については、工務店側がきちんと解決・説明していくべきだと思う。
まず1の倒産問題について。
これ、「住宅完成保証制度」を利用すれば、万が一工事中に工務店が倒産したとしても前払い金などが保証されます。
その後引継ぎ業者をあっせんしてもらうこともできるから、ひとまず安心ですね。
そして2のアフターフォローについて。
これは、取引している職人さん(大工・電気屋・設備屋など)をリスト化して引き渡し後もお客さんと随時情報共有しておけば、工務店がもし万が一倒産してしまっても、必要なときにいつでも連絡がとれるようにしておくことで解決できると思います。
職人さんの引退や廃業で欠員がでないよう、都度メンバーをアップデートしておく必要がありますね。
さいごに
大手ハウスメーカーならすべて安心というわけじゃないし、小さな工務店だってきちんと対策すればお客さんの不安要素は減らせる。
建設業界にいる僕たちからすれば当たり前のことだけど、一般のお客さんはほとんど知らない。
僕たち工務店の経営者は、こうした真実をもっと世の中に発信していかなくてはいけませんね。
同時にお客さん側も聞きづらい、言いづらいことでもあるので、言ってくれた気持ちに応える意味でも工務店側もしっかりと向き合って正直に、誠実に対応することで信頼されていくと思います。