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住宅と天空の城ラピュタ
2019.5.6
住宅会社で「どんな家を作りたいですか?」といきなり聞かれても、ざっくりしすぎて返答に困りますよね?
だから僕はこのようにお聞きします。
「どんな世界に住みたいですか?」
もっと意味が分からないって(笑)?
いやいや、家づくりってイメージがとても大切なんです。
住みたい家のイメージは?
先日新築の相談に来てくださった方は、栃木県の大谷石採掘場が好きだとおっしゃっていました。
なぜか昔から、洞窟(どうくつ)や鍾乳洞(しょうにゅうどう)に惹かれるのだそうです。
栃木県の大谷石採掘場は静かな空間にすうっと光が差し込む、神秘的でとても美しい場所です。
一見家づくりとは程遠いように思われるかもしれませんが、僕はクライアントの心の奥底にある原風景をイメージして、家の設計を進めていきます。
理想の場所は、アニメや映画に出てくるフィクションの世界でもOKです。
例えば「天空の城ラピュタ」だとしましょう。
物語の舞台は、ペルーのマチュピチュです。
マチュピチュの写真をじっと見つめ、想像します。
「この人は、この世界のどこに惹かれるのだろう・・・?」
「この建造物の空気感を生み出している根源的なものは何か・・・?」
「この建造物の構成している要素は何か・・・?」
そしてマチュピチュの特徴を言葉にします。
- 周囲に何も無い独立した建造物
- ひな段上に都市が構成されている
- 太陽信仰を元に作られている
ここから設計する家のイメージを膨らませていきます。
「天空の城ラピュタ」の世界を再現していく
マチュピチュの世界観を設計に落とし込んでいく作業は、こんな感じです。
周囲に何も無い独立した建造物
→静かな空間が好き
→プライバシーが配慮される空間づくり
→周辺環境に影響されないプランニングや光の取り込み方の工夫
→風景と一体となるような建築
ひな段上に都市が構成されている
→景観が美しい
→リズム感があり、スキップフロアのように広がりを感じる
→窓の配置に工夫
太陽信仰を元に作られている
→東西の太陽光を取り入れる工夫
→冬至や夏至の光に合わせた窓の配置
家づくりって、クライアントの深層にあるイメージの源泉を僕たち作り手がいかに汲み取れるかが大切だと思っています。
トレンドに流されるのではなく、実際に住まわれるご家族だけに愛される家づくりを目指しています。