多面空貫
住宅

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Data
- 所在地
- 茨城県土浦市
- 構造規模
- 木造2階建て
- 延床面積
- 116.41㎡
- 竣 工
- 2024年
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Story
住宅地でありながら、空と風景が大きくひらけた土地。
しかしその実態は、南側は高い隣地、東側は崖、北側は斜面――敷地を素直に使い切ることが難しい、複雑な条件を抱えていました。それでも、この場所で暮らしたい。
ご家族が求めていたのは、既製の正解ではなく、「私たちらしい家」でした。一般的な提案の多くは、南に向かってリビングを置くという定石どおりのもの。けれど、この敷地では将来的に日影となる可能性が高い。
そこで、視点そのものを反転させる必要があると考えました。リビングは西側へ、しかも2階へ。
その一手によって、周囲の住宅の視線や影から解放され、空を独占するような居場所が生まれました。朝焼けも夕焼けも、室内の風景として日常に溶け込みます。
建物のかたちは、敷地に呼応するように多面体となり、一部が斜めに振られています。
1階のダイニングキッチンには角度をもった大開口が設けられ、東南方向への「抜け」を最大限に確保。そこから吹き抜けを通して2階リビングへと光と気配が立ち上がり、空間は上下にも東西にも連続していきます。
さらに、三方向に設けられたウッドデッキ、空に向かって開く天窓、視線の交差を避けつつ外とつながる窓配置。
内と外、上下、方位――それぞれの境界はやわらかく溶け合い、家の中にいながら外部の広がりを感じさせます。素材選びもまた、この住まいの個性を形づくりました。
コンクリートの質感への憧れを出発点に、木造の温かさを損なわずに表現する色と仕上げを丁寧に探り続けた「色探し」。床にはコストと質感のバランスに優れた樺材を採用し、無理のない形で理想を現実へと近づけました。
完成した住まいは、奇抜でも派手でもありません。
ただ、どこにも無理がなく、どこにも既視感がない。
家族の要望と敷地の条件、その両方に真正面から向き合った結果として、自然にこのかたちに行き着いたような佇まいです。住み始めてから年月が経っても、なお「頼んでよかった」という余韻が続く。
それは性能や見た目だけではなく、設計の根底にある「聴く」という姿勢が、暮らしそのものを支えているからかもしれません。多面に開き、空へと貫ける家。
制約の多い土地だからこそ生まれた、
ひとつの解答です。
Voiceお客様の声
2022年、息子は3歳、娘は1歳になり、アパート暮らしでは窮屈な日々が続いていました。
夏季休暇を利用して、大手、中堅、工務店を渡り歩きました。どの業者の方も家も大変素晴らしいのですが、今一つしっくりくるものがありませんでした。
というのも、「私たちらしい家が欲しい」と願っていたのです。十分な資金やイメージがないにも関わらず・・・。また、営業の方のトークにも疲れていました。話している背景に「利益」「この顧客を手放したくない」という、裏の顔が見え隠れしてしまったのです。
そんな中、口コミがよいというので、AS IT ISさんを訪れることにしました。そこで出会ったのが髙橋さんです。どのような家がよいのか、私たちの漠然としたイメージをしっかりと受け止め非常に具体的な改善策を次々と提案してくれました。しかも、裏の顔が見あたらないのです。不思議に思いいただいた名刺を確認すると、一級建築士!話を聞けば、営業はおらず、設計や現場指導まで一貫して行うというではありませんか。
髙橋さんはとにかく私たちの話を「聴いて」くれました。営業として自社や自身の利となることを一方的に話すのではなく、私たちの建てたい理想の家を探ろうと様々な角度から切り込み、建築士としてそれを具体的な形で提案してくれるのです。漠然としたイメージしかなかった我々にとって、心強い存在でした。
どうしても住みたい地域がありましたので、手の届く金額の土地に目安をつけていました。しかしこの土地は住宅街にしては独特で、北側は法面、東側は7mほどの崖で下には家、南には家が建築予定、西には田園風景が広がるといった具合でした。
しかし髙橋さんはただものではありませんでした。完成した家の2階からは東、西、南のどの方向にも住宅などの視界を遮るものがないのです。2階のリビングから見る、朝焼けと夕焼けは別格です。他にも、眺望を楽しむウッドデッキや法面を活用した倉庫、デザイン性に優れた造作家具、リビング階段、コストのメリハリ、吊り下げ照明、ピアノや水槽専用コーナー、大胆な吹き抜け、リビング洗面台…。書ききれないほどの私たちの意見(我儘)全てを受け入れ、一つの家として完璧な形で成り立っていることがいまだに信じられません。しかも、ほぼ予算内で。AS IT ISでできないことはないのではないかと思える程です。
完成後半年が経ち、髙橋さんが来てくださいましたが、私が「この家のウッドデッキが好きなんですよ」と伝えた時、髙橋さんは「私はこの家の全部が好きです。」と答えられていました。まさか、住人よりも家のことが好きな人がいるなんて!私も負けていられません。
住んで2年が経ちますが「AS IT ISに頼んでよかった」という余韻が今でも残り続けています。