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売らないリフォーム
2024.3.23
喪失感
受験も終わり、新生活が始まる時期になりました。この季節になると、子供が大学入学のために家を出て行くご家庭も多いのではないでしょうか。
これまで18年間一緒に生活してきた子供が出ていくことはほっと一安心できると共に寂しくもあり、喪失感もあるのではないでしょうか。
そんな悲しさを抱えている方は多いように思います。
思い出が詰まった夫婦だけになる家を心機一転、これまで子供中心だった家ではなく、自分達のための家にリフォームしたいという想いがあり、ご相談にお越しになる方がいらっしゃいます。
ただこれまで子供の事を最優先に考えていたお母さんからすると、改めて心から自分のしたい事を考えてみたり、聞かれたりしてもなかなか出にくいものです。
ためらいもあったりとこれまで我慢していた自制する習慣が邪魔したりするものです。
そこでどうしたら自分の理想とするリフォームが見つかるか?子供が出ていった喪失感から新たにお母さんのあるいは夫婦の新生活を作ることができるのかを記事テーマの「売らないリフォーム」から考えていきたい思います。
2つのリフォーム
なぜ「売らないリフォーム」というテーマで考えたかをお話ししたいと思います。
俗にいうリフォーム工事には大きく分けると以下の2つに分けられると思います。
1.緊急性の高いリフォーム工事
- 雨漏り
- 設備の劣化による日常生活の不満
- 親の介護によりバリアフリー工事
等々
2.緊急性の低いリフォーム工事
- 子供が巣立ったことによるライフスタイルの変化
- おしゃれなデザインの洗面化粧台
- 寒い・暑いなどの住環境の不快さ
等々
1の緊急性の高いリフォーム工事ではお客様からすると即決断しないと日常生活に支障がある種類のものなので、業者からしてもすぐやりたいわけです。お客様の意思決定スピードと業者側の思惑が合致しているので、コミュニケーションの食い違いが生まれにくくなります。
ただし、多くのリフォーム会社の営業からするとすぐ売りたい意識に駆られてしまうのは2の場合についても同じように思います。
いますぐどうにかしないといけないような内容で無いにも関わらず、そのような行動を取ってしまうのは、営業としてすぐ結果を出さないといけない指示が出ていたりするわけです。
そうなるととたんにコミュニケーションの食い違いが生まれてきて、温度感の違いや信頼関係の構築もままならなくなってきてしまいます。
つい先日、弊社スタッフが担当していたリフォームを検討中だったクライアントの方から1年半ぶりに連絡が来たそうです。
当時、弊社以外で2社いるなかでリフォームの相談に乗っていました。弊社に再度ご連絡頂いた理由は良く話しを聞いてくれたからだそうです。
スタンスの違い
緊急性の低いリフォーム工事の場合、なぜそれをやろうと思ったのか?その動機を明確にする所からお話しを聞いて掘り下げていく必要があるように思います。
もしかするとその動機は長年内に秘めていたもので、初めて会う業者に言うのは憚られるものかもしれません。
もしかすると言葉にできないものかもしれません。
もしかすると本人も気づいていないだけで、別に理由があるかもしれません。
時間をかけて少しずつお話しを聞かせて頂くことで少しずつ見えてきたり、少しずつ教えてくれたりするものかもしれません。
クライアントの節目に寄り添う使命
どのような事業をやるにしても、他者への貢献ということが大前提にあるわけです。目先の数字を追い求めるあまり、見るべきものが見えにくくなってしまうというのは本末転倒のように思われます。
住宅分野で工務店という立場は人々の生活を守るという意味で一生のお付き合いになるわけです。その場限りの短絡的なものを提供するというのは、あまりにも安易すぎるのではないかと思うわけです。ましてやお客様の大切なお金をかけてやるリフォームなわけなので、心から望んだものにする使命があるのではないかと思います。
そのような理由から子供が巣立ってライフスタイルが変わり行う緊急性の低いリフォーム工事では、まずは「売らない」「売ろうとしない」所から始めてみてはいかがでしょうか。
そうすることで刹那的なお付き合いではなく、人生のステージの節目節目に長くお付き合いのできるお互いハッピーな間柄になれるのではないかと思います。