点描

住宅

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  • Data

    所在地
    茨城県つくば市
    構造規模
    木造平屋建て
    延床面積
    182.17㎡
    竣 工
    2025年
  • Story

    約150坪という広々とした敷地に、平屋の住まいを計画しました。
    住宅棟をL字に、車庫棟を長方形に配し、そのあいだに生まれた余白を中庭としています。

    建築設計を点描のような行為だと思いました。

    素材、色、空間のかたち、建築のかたち――
    その一つひとつは小さな点にすぎません。
    しかし、無数の点が打たれることで、やがて建築という全体像が浮かび上がります。

    住宅に求められる機能を散りばめつつ、全体と細部の調和を大切にし、
    華美ではなく、奥ゆかしさと控えめな美しさ、そして芯の強さを感じられる空間を目指しました。

    素材、各空間のプロポーション、外観の印象――
    それぞれを「点」として丁寧に置き重ね、
    迷いと確信が交互に訪れる中で、
    「こうあってほしい」「こうあってくれ」という祈りさえも込められていきました。

    どの住まいもそうであるように、この住まいもまた、偶然が折り重なり、やがて必然へと結晶したひとつのかたちです。

    この場所、この時、このご希望、建主様との出会い――
    すべての偶然を必然へと昇華させた結果が建築であり、
    その姿は唯一無二のものとなりました。

    やがて無数の点は響き合い、絵を紡ぐように空間を形づくる。
    求められるものも、素材も、工法も、姿も毎回異なります。
    それでも根底は変わりません。

    点を打つように思考し、悩み、祈りを重ねること――