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つながるということ

2024.6.30

現代ではSNSで簡単に人と人がつながることができるようになりました。
簡単につながれる反面、関係性を断ち切ることも簡単なのでは無いかと思うのは私だけでしょうか?

承認欲求を求めるあまり他者に自分を委ねてしまうような希薄な関係性。
そういう生き方ばかりだと辛かったりするように思います。

先日こんなことがありました。

約2年前(2022年5月)にお引渡ししました「むくのおと」のお施主様のA様ご夫妻に夕食に招かれた際にお聞きしたことです。

当時、A様邸のデザインはご夫婦が過去に宿泊されて好きな建築を元にデザインしました。その建築は那須にある「アートビオトープ那須」内にある坂茂設計によるスイートヴィラという建築でした。

画像
「スイートヴィラ」WEBサイト https://www.artbiotop.jp/stay/  より引用 2024.06.29(参照日)

その後、その施設自体がコロナ禍の影響で2023年11月に閉館になりました。
A様ご夫妻もまた泊まってみたいと思っていたのに、残念だねと。

ところが、2024年4月に運営元が変わったことと共に新たに名称が変わり、再開されたそうです。
その名も「無垢の音(むくのね)」

奥様からは驚きと共に嬉しそうにその事を教えてもらいました。

冗談半分で「タイトル真似されましたよ笑」と。

私はこの偶然に知り得たお話しから考えたことがあります。

当初、A様ご夫妻からリクエストのあった「アートビオトープ那須内にあるスイートヴィラのイメージでデザインしてください」という所からエッセンスを抽出してデザインしていきました。A様から要望のあったことはそのこととバイオエタノール暖炉を入れたいという2点のご要望だけでした。

それ以外は設計者に任せるというA様の胆力

その方法はお客様自身の時間も家づくりで奪われる事が無く、効率良く進められる一つの方法になるかもしれません。

これまで弊社ではお客様の要望を細かく聞き取り、微に入り細を穿った家づくりを行なっています。そのことはこれまでのクチコミが証明している通り、想いを汲み取ってくれたとの評価を頂き、お客様満足度にもつながっています。

一方でお客様にも多大な労力がかかることも理解しています。

いわゆるハウスメーカーの提供する家づくりでは、その会社の標準仕様や型に沿うことで効率良く進んでいきます。しかしハウスメーカーの提供する効率重視の家づくりではお客様の理想に到達することはできないと思い、その手法は排除しています。

しかしここで私が言っている効率とは、いかにお客様の理想に最短距離で到達するかという意味の効率です。

A様の話しに戻しますと、たった2つの要望から設計者がインスパイアされ、エッセンスを汲み取り、提案することができれば、最短距離で理想に到達し効率の良い家づくりができるのでは無いでしょうか。

またA様が宿泊された「スイートヴィラ」をイメージに出来上がった今回のプロジェクト「むくのおと」、その後元イメージの施設名称が変わり「無垢の音」と変わったことが、A様の想い、スイートヴィラの設計者の想い、「むくのおと」の私たちの想いが建築を通してつながっていったこと、つながりを感じるとはこういうことなのではないかと思います。

スイートヴィラ側の人たちは当然私たちのことは知らないと思いますが笑

これまでのAS IT ISの家づくりとは異なるプロセスを発見することができたお客様のA様に感謝すると共にやはり家づくりではイメージ(ヴィジョン)の重要性を改めて気づかせて頂けたプロジェクトでした。