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詳細図ってなに…?僕が世界観にこだわる理由

2019.4.16

僕は住宅を設計するとき、いつも詳細図を作ります。

※詳細図・・・尺度1/5(場合によっては1/2)の大きな図面のこと

じつは間取り図(尺度1/50)さえあれば、家は建つんです。
でも僕は毎回、詳細図もいっしょに書く。
詳細図には、間取り図にはないたくさんのメリットがあるからです。

今回は住宅の詳細図に関する僕のこだわりについてお話ししたいと思います。

詳細図ってなに?メリットとデメリット

まずはじめに、住宅の詳細図について簡単に説明しましょう。

詳細図ってなに?

  • 大工さんや関係する職人が施工するための図面
  • 素材と素材が取り合う部分を図面化したものやどのように加工するか等を明記したもの
  • 既製品しか使用していない家であれば書くことはほぼ無い

詳細図の例

これは筑西市築200年の古民家リノベーションの詳細図です。

完成写真

詳細図を元に作られた完成写真です。

詳細図を作るメリット

詳細図を作るメリットをひとことで言うと、住宅の世界観をより正確に表すことができるでしょうか。

住宅の世界観は、クライアントの「こうしたい」っていう思いと住宅の本質的な価値をミックスして、僕たち設計者の強い意志で作られます。

例えば、柔らかい空気だったり、ビシッと緊張感のある空気だったり。
はたまた、靄がかかった神秘的な空気・・・?
なんてイメージしながら作ります。

間取り図より細部が見やすく、具体的にイメージしやすいので、現場の大工さんに世界観が伝わりやすいかなと思います。

詳細図を作るデメリット

経営者の立場からすれば、当然、効率性や生産性も気になるところ。
詳細図を書き上げるには、それなりの時間が必要です。
正直言って、詳細図がなくても家は建ちますからね。

一般的なハウスメーカーや工務店では、コスト削減で詳細図を書かないところも多いようです。
でも僕たちは、そんな大手住宅会社の「株主の利益が第一」主義には賛成できない。
AS IT ISは、「マーケットのシェア獲得」じゃなくて、「クライアントひとりひとりの希望を叶えるお手伝いがしたい」という考えの会社だから。

さらに言うと、僕自身が面白いとは思えない、効率を優先した仕事はしたくないです。

コストがかかっても詳細図を書くのは、設計者としての衝動・・・?
いや、「建築への愛」なのかもしれませんね。

クライアント→設計者→大工を繋ぐもの?

現場の大工さんと世界観を共有できなければ、ただ行き当たりばったりの家が出来上がってしまう。
詳細図をあいだに挟むことで、クライアントのイメージが大工さんへと伝わりやすくなる、と僕は思っています。

でもどれほど素晴らしい詳細図を書けたとしても、大工さんの協力なしには完成しない。
図面で表現しきれないミクロレベルのニュアンスを汲み取ってもらうには、最終的に大工さんのセンスがものをいいます。
こればかりはいくら図面や言葉で伝えても、大工さんのセンスに委ねるしかないんですよね。

だから私たちが大工さんを選ぶ基準は、やる気、丁寧さ、センスです。

クライアントのイメージと設計者の書く図面、詳細図、そして現場の大工さんの力量が合わさって、住宅の世界観が完成されるのだと思います。

良い詳細図を書くには

繰り返しになりますが、詳細図はクライアントに見せて合意を得るためのものではありません。
クライアントの思いを設計者がくみ取って、本質的な価値を付け加えてから、設計者の納得の元に作られます。
だからこそ、詳細図の作成は注意深く進めなくてはいけません。

書いている途中、設計者の意志がある方向へと勢い付くと、その部分だけが変に浮いてしまうんです。
そうすると、全体的にチグハグな印象になってしまう。
設計者の自己満足のための詳細図を作ったことろで、いったい誰の役に立つというのでしょう。

詳細図の作成には設計者の強い意志が必要だけど、いつも全体を意識しながら書き進めるよう気をつけています。
全体の世界観が細かい所にまで反映されるようなデザインを意識しながら描いていきます。
「神(世界観)は細部に宿る」という名言がありますが、その感覚です。